大山登山

昨日は友人に誘われて、丹沢山地にある大山登山をしてきました。均整が取れたピラミッド型のシルエットの大山は、古くから信仰の対象として崇められてきたそうです。農業の神、雨乞い、海上安全、商売繁盛の神として多くの信者を迎えてたとのこと。標高は1,252メートル。

 

登山などほとんどしたことがなく、前情報もあまりなく、有名な山だからきっとそれほどキツくはないだろうと完全にタカをくくっていました。

先日初めて登った高尾山が思ったより楽ちんだったので、同じようなものだろうとハイキング気分で、いざ現地へ。

 

いやー完全に山を舐めていました。

まじできつかったです…

 

ケーブルカーに乗って、降りたところで阿夫利神社下社。ここから登山スタート。ところが出だしで、コースから外れた道に入ってしまい、小一時間ほどロスしてしまいました。この時間と体力のロスが後々効きました…

 

戻って気を取り直し登山道に入るも、いきなり急階段、ゴロゴロ大きな石の連なる上り坂が延々と続く。

まったり登れる箇所が全くなく、登っても登っても岩山ばかり。

半分も行かないうちに、太ももが重くて持ち上げるのがしんどいしんどい。

最近体も鍛えてなかったし、せめて登山靴とトレッキングポールは必要だったなあ…

 

どこまでも続く、ごろごろの岩と石を踏みしめながら、

もう登れないよ〜と心の中で泣き言。

まわりの風景なんて見てる暇 ないないない。

 

登山慣れしているような人々に、どんどん追い越されていくし

平然と下山してくる小学校の低学年らしきグループとすれ違ったりとか

元気な人々を横目に、自分の体力のなさを痛いほど痛感しました。

 



朦朧としながら一歩一歩登って、なんとか頂上に辿り着いた!

あいにく周囲は濃い霧が覆い、全く見えませんでした。

 

でもとりあえず登り切った!

 

空腹と疲労でヨロヨロになりながら、周囲を見回すと

小さな茶屋が一件開いていました。

 

 高尾山みたいだろうと、完全に舐めていた私はお弁当も持ってきておらず

もしや頂上に行っても何もなかったらどうしよう、と恐れていたので

それはもう小躍りしてお店に駆け寄り、山菜そばと甘酒を注文。

 

山頂に近づくと、気温が思ったよりも下がっていて

自覚がないのに手が悴んでいて、箸を持つ手に全く力が入らない。

 

時間はすでに13時半過ぎ、茶屋のおじさんは、さっさとシャッターを閉めてしまいました。どうやらギリギリだったみたいです、良かった…まじで…

 

しかしどうやってこんな山頂に材料を持ってきてるんだろう?

あのおじさんは、ここに寝泊まりしているんだうか。などなど考えていると

 

「帰りのケーブルカーの最終は16:30だからね。16:30なんてこの季節はもう真っ暗。」とボソッと忠告してくれました。

そばと甘酒でエネルギーチャージできましたので、いざ下山しましょう。



下りだから、確かに上りほどは疲れないものの、

足がガクガク状態で、岩ゴロゴロの斜面を下るのは、きついことには変わりない。思ったより時間がかかり、流石にこの季節は日没が早く

山の中はあっという間に日が翳ってきました。

 

結局、ケーブルカーに乗り込んだのは時間ギリギリ。

伊勢原駅に着く頃には、あたりはとっぷり暮れており

この季節はもう少し余裕を持って出発すべきだったなあと反省。

 

何事もなく無事だったから良かったけど、山歩きってやっぱり

侮ってはいけないなと痛感しました。

 

 

ああ、今日はものすごくしんどかった、と帰宅して

お風呂に入り倒れるように布団に潜り込んだ翌日...

 

筋肉痛は確かにひどいものの、妙なスッキリ感。

確かにあれだけ体力使って、一心不乱に登れば、心身の澱みたいなものが、否が応でも剥がれ落ちた気がする。

呼吸もいっぱいするしね。

 

山の中は人間たちのエネルギーが太刀打ちできない静謐さがあって

確かに大いなる存在の懐に入っていくような、高揚感がある。

一歩間違えると飲み込まれてしまうような、

密度の高い空気が体をじんわりと包み込んでゆく。

 

山から出て、街に帰ると

ああ、異境から出てきたなあって 人の住む場所に戻ってきた

という安心感と残念な感覚。そのコントラストも楽しい。

 

またあの深い空気の中に入っていきたいなあ…なんて。

 

あれ、意外と登山楽しい?!