
さて、2025年のインド占星術的メインイベントの一つは4月に土星が魚座に移動することでしょう。トランスサタニアンを使用しないインド占星術では、土星は一番ゆっくり動く星で、トランジットでの世相や個人の人生を予測するのに、最も重要な惑星です。インドでは土星を祀る寺院があって、土星がサイン移動する時は人々はその寺院へお参りに行くとか...
土星は約30年かけてホロスコープを一周し、生まれた時の土星の位置に、トランジットの土星が戻ってくるのを「サターン・リターン」と呼び人生の大きな節目の時期と言われています。30年に一回ですから、人は最大で3回のサターンリターンを経験することになります。20代後半に一回、50代後半に一回、70代後半に一回ということです。
私の土星は魚座にありますので、今年は2回目のサターンリターンがやってきます。そして魚座の場合前回のサターンリターンでは土星とケートゥのコンジャンクションがありました。そして今回のサターンリターンでは土星とラーフのコンジャンクションがあります。ラーフとケートゥは土星の次にゆっくり動くポイントなので、この二つがコンジャンクトするのは10年前後に一回くらいの頻度。これも今年の占星術的なメインイベントで、4月に起こります。サターンリターンが2回ともラーフとケートゥの影響を受けるのはなかなかレアかもしれません。今年の春は誰にとっても落ち着かないものとなりそうです。
さて、魚座土星のみなさん、前回のサターンリターンには何がありましたか?前回の土星とケートゥのコンジャンクションの時、私は東京のアパートを引き払って当時夫だった人と、バックパッカーとして長い旅に出ました。魚座は4室でケートゥの影響を受けるサターンリターンということで、家を引き払うという結果になったのでしょう。旅は魚座で土星とケートゥがコンジャンクトしている期間中続き、約2年半に及びました。そしてちょうど、土星が牡羊座へ抜けたタイミングでの帰国になりました。
私は水瓶座に月があるので、魚座の土星時代はサターンリターンでもあり、まだサディサティのラストフェーズでもあり、そういう時期に社会的な責務を放擲して旅に出てしまったのは、よっぽどケートゥの影響が強かったのかな、と思います。この旅は私の人生観を大きく変えて、その後の生き方に多大な影響を及ぼしました。イラストを描く仕事をしよう!と決心したのもこの頃ですし、長旅に出るとそれこそ色々な生き方をしている人に出会いますので、もっと自由に生きていんだな、自分の好きなことをして生きられるんだな、と勇気をもらいました。
今回は土星とラーフのトランジットなので、流石に家を放擲して旅に出る流れにはならなさそうです。しかし代わりに、今月私は6年ぶりに引っ越しをしました。しかも不思議なご縁で、海から程近い、観光客がたくさん訪れる街に住むことになりました。街を歩いていると、いい雰囲気のカフェやレストラン、雑貨屋なんかが点在しています。先日道端のコーヒースタンドに座ってコーヒーを飲んでいると、さまざまな国の旅行者がやってきて、カタコトの日本語でコーヒーを注文します。なんだか自分が旅に出ているような気分になってワクワクしてます。
ラーフは4ハウス的なことに積極的に関わろうとするでしょうから、今回は自分の場合は新しい場所に住んで、そこでのネットワークを広げていくとか、そこから新たなインスピレーションをもらうとか、ここを訪れる旅人と関わるとか、そういう流れになるのかもしれませんし、そうなったらいいな、と思っています。
土星&ケートゥのコンジャンクションでは自分が旅に出て、土星&ラーフのコンジャンクションでは自分が旅人の集まる街に住む。なんとも星の巡り合わせは面白い!旅気分は味わえるけど、ウィークデーには早起きをして電車に乗り、いつもの職場に向かい、今までのように仕事をしています。通勤時間は30分長くなりました。今の季節なんか、家を出る頃にはまだ早朝で、帰宅する頃には真っ暗。わざわざこんな遠くに住む意味あったのか?という思いが心をよぎったりもしますが、休日にちょっと歩けば海が見え、きっとそんな街で眠っているだけでも私の潜在意識はこの場所にチャンネルを合わせているのでしょう。
先日あるYouTubeで、かつてのバックパッカーのレジェンドたちが出演していて、クラウ度ファンディングでバックパッカーカルチャーを振り返る書籍を制作するという企画を話していました。今や古の出来事となってしまった、バックパッカーカルチャーを振り返ろうという流れが生まれてきたのも、魚座土星ぽいなとも思うのです。自分が旅をしていた頃は、「猿岩石」が大ブレイクしていた時代。まだ携帯が普及する直前で、インターネットもかろうじてあったけれどまだ一般的ではなく、旅の情報を得るには、宿の情報ノートとか他の旅人からの口コミに頼るしかありません。快適な宿を探して何軒もホテルを訪ね歩いたりしたものです。ああいう不便で手間のかかる旅ができたのは本当にいい経験でした。あの旅の時間を思い出しながら、この街で出会う経験や人々と関わっていけたらと感じています。